経済環境の激しい変化、少子高齢化、グローバル化が急速なスピードで進む中、企業人事は、環境変化にキャッチアップするだけでなく、率先して変革を推進する主体である必要があります。また、ビジネスへの貢献の視点で、人事部門が事業部門のビジネス・パートナーとなることが求められるようになってきています。
これまで人事領域では、得てしてエビデンス・データの乏しい感覚的なものに左右されがちでしたが、最近では、具体的なエビデンス・データを出し、企業の業績や生産性向上に人事がどのように貢献しているかが求められるようになってきています。そうしたなかで、近年、HRテクノロジーと人事ビッグデータの活用が大きな注目を集め始めています。
「HRテクノロジー大賞」(後援:経済産業省、株式会社東洋経済新報社、株式会社ビジネスパブリッシング、HRテクノロジーコンソーシアム、ProFuture株式会社)は、日本のHRテクノロジー、人事ビッグデータ(アナリティクス)の優れた取り組みを表彰することで、この分野の進化発展に寄与することを目的に、今年第3回が開催されました。
第3回の応募総数は63事例で、厳正な審査の結果、その中から24事例が選ばれました。
【審査委員】 | ・慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 特任教授 岩本 隆氏(委員長) ・多摩大学大学院 教授・経営情報学研究科長/フライシュマンヒラード・ジャパン SVP・パートナー 徳岡 晃一郎氏 ・ProFuture株式会社 代表取締役社長CEO/HR総研 所長 寺澤 康介 |
---|---|
【授与式概要】 | 開催名 :「第3回 HRテクノロジー大賞」授与式 開催日時 :2018年9月20日(木)18時20分〜 開催地 :赤坂インターシティコンファレンス 所在地 :東京都港区赤坂1-8-1 赤坂インターシティAIR 3F ※9月19日(水)より開催の日本最大級の人事・経営者フォーラム「HRサミット2018/HRテクノロジーサミット 2018」内のプログラムとして開催されます。 |
個人の「生産性」および「配置フィット感」の意識を測る心理尺度構成と、その尺度構成を用いたサーベイを大学の学術指導(*)を受け独自に開発。AIを用いて、サーベイで得た個人の意識とさまざまな人事・行動データを分析することで、一人ひとりの行動変革を促す課題抽出を行い、効果的かつ効率的な、より精度の高い人事施策の実行へとつなぐ取り組みが、高く評価されました。(*)筑波大学による学術指導
HR 全体をバリューチェーンとして捉え、目的とする人材の付加価値を向上させていくフローを「採用・育成・代謝」の3つに定義。AI を搭載し、個々に効率的な施策を提供する自社開発システム「HaKaSe」に接続することで、人事担当者の勘と経験に依存せずに人事施策(採用・育成・代謝)のプランニング精度を持続的に高めた点が高く評価されました。
AI開発やデータ分析のテーマごとにコンペティションを開催することで、自社課題解決に特化した高品質なAIモデルの調達が可能である点と、希少なデータサイエンティストの採用・育成、特に、希少な「才能をシェアする」という考え方(アビリティシェアリング)の浸透、AI・ビッグデータ活用への取り組みを推進する点が、高く評価されました。
人事部内にPeople Analyticsの専任組織を設置して、データサイエンティストを配置。適性検査やパフォーマンスデータの分析から人財タイプを見える化し、選考判断のスピード化や、辞退・取りこぼしの低下を短期間で実現させたことが評価されました。
多様化する採用状況を可視化し、AIによる採用フローの最適化を実現。採用フローの一部分をRPAで実施するのではなく、事務作業の全業務(説明会、面接等は除く)をデジタルレイバーで完全自動化した点が評価されました。
管理職向けダイバーシティマネジメント研修のコンテンツとして、VR動画を導入。VR動画による深い疑似当事者体験を核にすることで、研修参加者の理解を促進するとともに、参加者の「理解の質」を一定に保つことに成功した点が革新的であると評価されました。
クラウドと動画を活用し、リモートでもまるで目の前にいるかのように双方向のやりとりを可能にすることで、OJT教育を非対面化。研修時間、トレーナーの人件費、離職率の削減に成功し、サービス産業のオペレーションを効率化した点が評価されました。
センシング技術、メタデータ分析、AIアセスメント技術を組み入れ、科学的・定量的な根拠に基づく形での施策検討や効果測定を可能にすることで、客観的な根拠に基づく形で、企業価値や生産性に直結する施策展開を実現させる取り組みが評価されました。
人事領域にマーケティング視点を取り入れ、人材情報のビッグデータを分析・活用。データ化しづらい記述式アンケートも瞬時に言語解析するなど、数値化困難な定性データまで見える化して網羅的に活用することで、科学的根拠に基づいた戦略的人事を実現した点が評価されました。
問い合わせ内容や閲覧情報などの蓄積データを定点観測、分析するEinstein Analyticsなどを駆使する事で、問い合わせそのものを減らし、社員がすぐに答えに辿りつけるような仕掛けが、社員のエンゲージメント向上にも寄与する点が評価されました。
プログラミングテストの作成から採点、評価までをワンストップで実現し、エンジニアのスキルを可視化する取り組みが、エンジニア採用や社内評価を効率化する斬新な取り組みであると評価されました。
高度な統計的手法を用いて、管理職のハイパフォーマーポテンシャル予測モデルを作成。勘や経験だけに寄らない「科学的な人事」の実現を、仮説設計、分析、結果の解釈、活用まで一貫して社内の人事が担当し、高精度なモデリングを3ヶ月というスピードで実現した点が評価されました。
日本ではまだまだ認知されていないEX(エンプロイーエクスペリエンス:「従業員が企業組織の中で経験する価値」を指す概念)や、HRテクノロジーの進むべき方向性に関する意思決定を可能し、従業員のエンゲージメント向上を支援する取り組みが評価されました。
勤務地が特定されている求人情報だけでなく、働きたい人のスキマ時間を有効活用し、スマホで簡単に仕事ができる新しいクラウドソーシング案件情報をも提供することで、レイトマジョリティ層へ新しい働き方を提案している点が評価されました。
HR領域に特化したAIを活用した「プライオ」では、エントリーシートから「優先度」「人物像」「辞退可能性」を短時間で判定し、採用の客観性・統一性の担保、選考の高精度化・高速化、担当者の負荷軽減を実現した点が評価されました。
これまでの満足度主体の従業員満足度調査と異なり、シンプルな質問と特許取得の解析技術により、エンゲージメントに最も影響する要因を見出し、効果的な改善実行をクラウドシステムによって支援している点が評価されました。
従業員が日々利用する7つのシステム(勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算など)を一体化することで、「従業員のビッグデータ」の収集、分析、リアルタイムな可視化を実現し、従業員の創造的な時間と自主性を高める環境づくりをサポートしている点が評価されました。
エントリーシートを採点するAI 選考だけでなく、エントリーシート分析で導かれる層別の志向性から、学生の集まるイベントやプロモーションを展開すべく、AIをマーケティング領域にまで活用し、受験者数の拡大や採用担当者の工数削減につなげた点が評価されました。
上司と部下による対面での1 on 1以外で、スマホアプリとウェブサービス(PC)により、リアルタイムフィードバックや、上司以外のメンバーとの相互フィードバックを可能にすることで、従業員の日々のパフォーマンス向上を支援している点が評価されました。
録画面接の動画(音声情報、回答内容、表情など)を解析することで、自社の企業風土にマッチし、将来活躍する可能性の高い候補者から順にランキング付けする「AIによる予測分析機能(HireVue Assessments)」が評価されました。
「行動変容を起こすための自己効力感」を高めるために必要な「達成体験・代理体験・言語的説得・生理的情緒的高揚」をゲーミフィケーションと AI で実現し、個々人の目標や日々の振り返りを組織全体で共有することで、承認を行う風土づくりに寄与する点が評価されました。
半年や四半期に一度の評価では見落とされがちな、日々の成果や定量化できないものの重要な貢献に対して、従業員同士が互いに賞賛の言葉とボーナスを送りあうことで、エンゲージメント向上と組織のつながり強化に寄与すると評価されました。
目標シートの作成→配布→取りまとめ→催促→フィードバック→集計といった評価プロセス業務をクラウドで一元管理することで、単純作業の多くを自動化し、作業時間を大幅に削減するとともに、社員の自己評価や他者評価を職種軸・部署軸・評価者軸など様々な観点から可視化・分析を可能にした点が評価されました。
従業員のデータをAIが収集・分析・予測。新人や休職・退職傾向にある社員に対し「コーチングAI」や「メンタルヘルスケア」を提供することにより、採用から育成〜評価〜配置〜退職まで一貫した人事業務に対してAIをフル活用し、労働生産性向上や人事の戦略的創造性向上をAIがサポートする点が評価されました。
名称 | 第3回 HRテクノロジー大賞 |
---|---|
主催 | 「HRテクノロジー大賞」実行委員会 |
後援 | 経済産業省、株式会社東洋経済新報社、株式会社ビジネスパブリッシング、HRテクノロジーコンソーシアム、ProFuture株式会社 |
審査委員 |
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 特任教授 多摩大学大学院 教授・経営情報学研究科長、フライシュマンヒラード・ジャパン SVP・パートナー ProFuture株式会社 代表取締役社長、HR総研 所長 |
応募対象 | 日本国内で企業活動を行っている企業(外資系含む)、団体の「人事部門」、および「サービス提供会社」 |
応募条件 |
採用、人材育成、アセスメント、労務管理、人材マネジメント、タレントマネジメント、 業務効率化・高度化などの領域におけるHRテクノロジー、ビッグデータを活用した取り組みであること。またはそれらの提供サービス。 ※「人事部門」の応募の場合、自社開発ではなく、他社より提供されるサービスを活用した取り組みで構いません。 |
審査方法 | 提出された応募書類をもとに審査評価基準に沿って総合的に審査 |
審査評価基準 |
※サービス提供会社の場合には、ユーザー企業に対して上記審査基準を提供できているかを審査します。 |
賞の種類 |
|
授賞特典 | 授賞式にて、顕彰状、盾を贈呈いたします。 |
授賞式 | 2018年9月20日(木)予定 |
応募方法 |
専用応募用紙をダウンロードし、必要事項をご記入の上、「HRテクノロジー大賞」事務局まで郵送、またはメール添付にてご提出ください。添付資料がある場合には、応募用紙と併せてご提出ください。 ※応募書類は返却致しませんので、予めご了承ください。 |
募集締切 | 2018年6月14日(木)13時 |
発表 |
「第3回 HRテクノロジー大賞」の各賞の授賞者には、7月下旬までに授賞の旨を直接連絡。 |
公表 | 『週刊東洋経済』、『月刊人事マネジメント』、人事向けポータルサイト 『HRプロ』、経営・ビジネスの課題解決メディア『経営プロ』 |
応募先・お問い合わせ先 | 〒107-6123 東京都港区赤坂5-2-20 赤坂パークビル23F ProFuture株式会社内 「HRテクノロジー大賞」事務局 TEL:03-3588-6711 E-mail:hrtech@profuture.co.jp |