社会、経済の変化が激しい現代、企業人事は、率先して変革を推進する主体であるとともに、事業部門のビジネス・パートナーとして、ビジネスに貢献することが求められています。
また、「ESG経営」が注目される昨今、企業の業績や生産性向上に人事がどのように貢献しているかを見える化し、「人的資本」に関する具体的なエビデンス・データを投資家や経営陣に開示する取り組みが、より一層求められるようになってきました。
HRテクノロジーと人事ビッグデータの活用は、いまや世界標準の大きなトレンドになりつつあると言えるでしょう。
「HRテクノロジー大賞」(後援:経済産業省、産業技術総合研究所、情報処理推進機構、中小企業基盤整備機構、株式会社東洋経済新報社、株式会社ビジネスパブリッシング、HRテクノロジーコンソーシアム、HR総研(ProFuture株式会社))は、日本のHRテクノロジー、人事ビッグデータ(アナリティクス)の優れた取り組みやサービスを表彰することで、この分野の進化発展に寄与することを目的に、今年第7回が開催されました。
「地方活性賞」では地方活性化に繋がりうる取り組みやサービスを、また今回から新設した「人的資本経営部門」では人的資本経営の推進に資する取り組みやサービスを表彰します。
第7回の応募総数は70事例で、厳正な審査の結果、その中から21事例が選ばれました。
【審査委員】 |
|
---|---|
【授賞式概要】 |
開催名 :「第7回 HRテクノロジー大賞」授賞式 開催日時:2022年9月16日(金) 14時00分(予定) 開催方法:オンライン形式で開催いたします。 |
人事情報の活用は人事や組織上のマネージャーに限られることが多い中、社員同士が未知の繋がりに気づき、新たなネットワーク作りができるような仕掛けを施した独自アプリ『TalentNetwork』を構築。社員の担当業務や保有スキル、各職場で取り組める業務や学びを社内公開することにより、動的な人材ポートフォリオに基づくリスキルや学び直し、社内異動といった社員の主体的なキャリアアップを支援するなど、『TalentNetwork』は既製の人事SaaSシステムだけでは対応できない会社特有のニーズに柔軟に応えるための優れた取り組みであると高く評価されました。
管理すべきスキルの数が多く、煩雑になりがちな製造業のスキルマネジメントにおいて、細かなスキルと教育計画・記録を効率的に一元管理できるシステム『SKILLNOTE』を提供。スキルデータを活用した計画的な人材育成と配置を実現し、技能伝承、多能工育成といった製造業の人材管理に関する課題解決に貢献する画期的なサービスであると高く評価されました。
中途採用サイト『doda』が蓄積した100万件以上の転職データをもとに構築した『HRforecaster』は、年収相場や候補者数などの転職マーケットの実態がわかるデータを提供することで、企業の中途採用活動の効率化を支援。「手探りでの採用」から脱却し、データ・ドリブンな中途採用を可能にする革新的なサービスであると高く評価されました。
現場マネージャーから出された「エンゲージメント向上のための具体的な行動を知りたい」という要望から、自社のエンゲージメントに関する因果関係を分析するソリューション『CausalAnalysis』を活用。 因子間の「方向性」と「強さ」を可視化し、その結果をマネジメント研修プログラムの内容に反映。これにより2021年度のエンゲージメント割合は25%から35%へと大幅な向上が見られるなど、人的資本経営に向けた取り組みに大きな成果を上げていることが高く評価されました。
従業員が「ウェルビーイング」な状態であることが経営課題の解決に繋がるという考えの下、『アドバンテッジ ウェルビーイングDXP』は、その実現の前提となる人事労務関連情報をビッグデータとして保持し、ダッシュボードでの見える化、データ分析、課題抽出まで行います。さらに効果的なソリューションの提案までを行い、社員の状態の見える化から課題解決までの一連のPDCAサイクルを支援する優れたサービスであると高く評価されました。
ブラックボックス化しがちな採用面接の現場において、株式会社ZENKIGENが提供する採用面接AIサービスを活用して「面接の定量化」を実現。オンライン面接時の録画データでの表情や振る舞い、発話比率、発話ワードの頻度等を可視化し分析するとともに、神戸大学服部泰宏准教授との共同研究にて面接官インタビューを実施し、熟練面接官の「実践知」を可視化するなど、面接精度向上のためのPDCAを回す仕組みを構築したことが高く評価されました。
『TG-WEBeye』は、「替え玉受験やカンニングなどの不正行為」「問題・テスト内容の漏洩」など公正性の担保に課題があったWebテストにおいて、「AI試験官」が応募者の不正行為を検知し企業が判断する仕組みを導入。不正を懸念してWebテスト方式を導入できなかった企業が導入することで、海外や地方の求職者にも公平な応募機会が広がるなど、オンライン選考時代に求められる優れたサービスであると高く評価されました。
事業変革をリードできる社員を増やすためにも社員の「成長の可視化」が急務と捉え、パフォーマンスと自律的な成長意欲レベルを掛け合わせて社員を9つにセグメントし、働き方、スキル保有状況やエンゲージメントなど多面的なデータでセグメントごとの特徴を分析。セグメントごとに課題を抽出し、社員一人ひとりが自分のキャリアと向き合う様々な施策を実施することで、学びの時間が増加したと実感する社員やキャリア自律意識を持つ社員が8割を超えるなどの成果につながったことが高く評価されました。
法人向けオンライン研修サービス『Schoo forBusiness』は、ビジネススキルを中心に幅広いジャンルの7000本以上の動画を提供。学習分析ツールで研修状況を可視化することで、社員の自律的学習を促す施策の検討ができ、社員一人ひとりの能力や興味関心に沿った学習機会をオンラインで提供しています。自律的に学び続けられる社員の育成に寄与しているサービスであると高く評価されました。
20年以上運用されているレピュテーションスコアを利用することで、人材の質や組織の質をスコア化し評価する仕組みを開発。人的資本の状況をモニタリングできる統合HRレポートにより、解決すべき人事課題と対策を質・量双方の観点で定義し、人事施策の意思決定・実行~検証を行う体制の構築に貢献していることが高く評価されました。
社員の人事部門への問い合わせに対応する、社内DXに特化したAIチャットボット『HiTTO』は、1,000件以上の回答データベースが搭載された共通AIにより、一般的なチャットボットに必要な導入時のFAQデータ作成やシナリオ設計などが必要なく、導入工数や運用メンテナンスの工数を大幅に削減。ITリテラシーに依存することなく、どの企業の人事部門でも活用でき、人事部門の業務効率化に貢献する優れたサービスであると高く評価されました。
今回の授賞企業はございませんでした。
2018年から始まった「MAKE HAPPY
PROJECT」は、社内複業で公募したメンバーを中心に、メンバーの自主性と多様性を重視しながら活動を推進。著名な社外講師によるセミナー、経営幹部と従業員、従業員同士のコミュニケーションを深めるオンライン番組などを多数企画。2021年には実施企画数888企画、参加人数16,500人に到達するなど、社内で大きなムーヴメントとなり、自社の組織風土変革に大きく貢献している点が高く評価されました。
『Employee ExperienceDesigner』は、PwCが持つ会社・仕事に求めることに関する価値観のフレームを活用し、従来のエンゲージメントサーベイでは可視化が難しかった「価値観の多様性」を、ペルソナの形で把握することを実現。人材グループごとのエンゲージメント低下の原因と改善の方向性を従業員目線で明らかにすることで、精度の高いエンゲージメント向上施策の実施につながる優れたサービスであると高く評価されました。
リンクアンドモチベーショングループの人的資本経営の実践において、事業戦略と組織戦略の最適解を創り出すために、生産性(人的資本ROI)向上を目的とし「従業員エンゲージメントの向上」を最重要テーマに置き、エンゲージメントスコアをランク化した「エンゲージメント・レーティング」をモニタリング。グループでは、11社中9社が最高ランクのAAAを獲得。また、人的資本の開示に関する国際規格:ISO 30414の認証をアジアの企業として初めて取得するなど、人的資本経営の実現に向けた先進的な取り組みを行っていることが高く評価されました。
『ラフールサーベイ』はメンタルヘルスをベースとした調査によって得られた多様なデータを機械学習にて分析・解析し、組織にとって最適な改善アプローチ方法を提案するとともに、個人の行動変容を促すアドバイスコメントやセルフケアコンテンツを提供。サービス提供から約3年で、累計導入企業1,100社を突破するなど広く利用され、離職抑制や採用/教育コストの削減といった組織課題の解決と、個人のウェルビーイングの実現・組織の人的資本経営につながる優れたサービスであると高く評価されました。
『SIGNATE Cloud』は、社員のデータスキルの計測・可視化、必要な教育の実施、さらに実践によるデータスキルの定着や優秀人材の発掘まで、企業のデータスキルマネジメントを総合的に支援。広島県や山口県での地域密着型AI人材育成事業などの実績があり、データ整備や資金力の不足により外部人材の確保やアウトソーシングでのDX推進が難しい地方企業でも、自走でのDX推進を可能とし、地方活性化に貢献するサービスであると高く評価されました。
『JamRoll』はオンライン会議の録画・文字おこし・分析・整理をAI書記が自動で行い、一次データである動画・音声を社内の共通資産とすることで、ビジネスコミュニケーションの齟齬を無くすことをサポート。音声感情解析AIも搭載しており、声の状態からチームメンバーの「元気度」を計測できるなど、遠隔で働くメンバーのメンタル状態の可視化やチームケアにも貢献する優れたサービスであると高く評価されました。
『YOUTRUST』は人事採用担当者が転職潜在層と接点を持つことを可能にしたキャリアSNS。ユーザーの4段階で表明された「転職意欲」「副業意欲」を、リアルタイムで確認でき、候補者の意欲が変化するとアプリ・メール・Slackにも即通知される機能を搭載。これにより、転職・副業意欲が高まった最適なタイミングでアプローチできるなど、採用業務の効率化に貢献する優れたサービスであると高く評価されました。
『Shiftmation』は、複雑な要件を考慮した勤務シフトを、独自開発のアルゴリズムで短時間での自動作成を実現。正式版をリリースして約3年半で自動作成されたシフトは7万件を超えており、シフト作成の自動化により、マネージャーの業務負担と残業人件費を削減するとともに、属人的な業務を解消することでビジネスの継続性にも貢献する優れたサービスであると高く評価されました。
エンジニアのスキルを可視化し、一人ひとりに合った学習プランを設計する『Track』。プログラミングの基礎からソフトウェアの開発実践までの独自カリキュラムを提供しており、学習者の進捗管理やスキルの向上データの可視化まで、全てオンライン上で一元管理することができるテクノロジー人材の育成プラットフォーム。IT企業に関わらず、国内200社を超える企業で導入が進むなど、優れたサービスであると高く評価されました。
社内の上司と部下、同僚以外の社員をマッチングするAI「naname(仮称)」を活用することで、社内における新たな関係性の構築を実現。社員の性格特性等を用いて、システム上でマッチング相手を決定の上、普段活用している業務カレンダーに面談を自動反映し、20分間の交流の場を設定。参加した社員の9割以上が継続参加を希望しており、満足度も85%以上となっているなど、組織の活性化に寄与する優れた取り組みであると高く評価されました。
9/8~10/14に開催するHRサミット2022 ONLINEにて、 『大賞』を受賞したソニーグローバルソリューションズ株式会社と審査委員長の山形大学学術研究院 岩本隆氏との講演、
また、「人的資本経営部門優秀賞」の日本電気株式会社、「特別賞(人的資本開示賞)」の株式会社リンクアンドモチベーションと 経済産業省
島津裕紀氏が登壇する「特別記念講演」の開催。さらに視聴&アンケート回答特典として「授賞企業インタビュー集」の 進呈が決定いたしました。ぜひご参加ください。
名称 | 第7回 HRテクノロジー大賞 |
---|---|
主催 | 「HRテクノロジー大賞」実行委員会 |
後援 | 経済産業省、産業技術総合研究所、情報処理推進機構、中小企業基盤整備機構、株式会社東洋経済新報社、株式会社ビジネスパブリッシング、HRテクノロジーコンソーシアム(HRT)、HR総研(ProFuture株式会社)
|
審査委員 |
山形大学学術研究院 産学連携教授(前・慶應義塾大学大学院経営管理研究科 特任教授) 多摩大学大学院 教授 (学長補佐) 法政大学大学院 教授 ProFuture株式会社 代表取締役社長、HR総研 所長 |
応募対象 | 日本国内で企業活動を行っている企業(外資系含む)、団体の「人事部門」、 および「サービス提供会社」 |
応募条件 |
採用、人材育成、アセスメント、労務管理、人材マネジメント、タレントマネジメント、 ※「人事部門」の応募の場合、自社開発ではなく、他社より提供されるサービスを活用した取り組みで構いません。 |
審査方法 | 提出された応募書類をもとに審査評価基準に沿って総合的に審査 |
審査評価基準 |
※サービス提供会社の場合には、ユーザー企業に対して上記審査基準を提供できているかを審査します。 |
賞の種類 |
※「人的資本経営部門賞」を新設しました!以下の観点に注目し、これらに資する取組みであるかを審査のポイントとします。
※「地方活性賞」により全国の地方活性化を応援しています! |
授賞特典 | 表彰状および盾を贈呈いたします。 また、授賞ロゴマークをデータで提供いたします。 WEB、印刷物等に掲載することで、採用広報や製品アピールにご活用いただけます。 |
授賞式 | 2022年9月16日(金)14:00(予定)※オンライン開催 |
応募方法 |
応募フォームにアクセスし、必要事項をご記入の上、ご提出ください。 ※添付資料がある場合は、以下の条件をすべて満たしていることをご確認の上、 <添付ファイル条件> ※応募書類は返却致しませんので、予めご了承ください。 |
募集締切 | 2022年5月27日(金)13時 |
発表 |
各賞の授賞者には、7月11日までに授賞の旨を直接連絡。 |
公表 | 『週刊東洋経済』、『月刊人事マネジメント』、HR総研公式サイト『HR総研』ほか |
お問い合わせ先 | ProFuture株式会社内 「HRテクノロジー大賞」事務局 E-mail:hrtech@profuture.co.jp |