新型コロナウイルス、オンライン説明会、オンライン面接、通年採用、
インターンシップ、早期選考会、AI採用、ジョブ型採用
逆求人、リファラル採用、お祈りメール、サイレントなど、
さまざまなキーワードが飛び交った2022年春入社に向けた就職・採用戦線。
厳選なる審査を通過したユニークな入選作品を発表します。
※川柳・短歌、雅号は、原則、応募者の表記のまま掲載していますが、固有名詞表記など一部につきましては事務局にて加筆をしております。
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今や主流となるオンライン面接の入念な対策も奏功し、ついに最終面接まで到達したが、そこで不意打ちの「対面での最終面接」。さぞかし戸惑い緊張し、いつもの力を発揮しづらい状況にもどかしさを感じたことだろう。「最終」と「初」という相対する単語を並べることで、作者の心の訴えが見事に表現された秀逸な作品である。 今年は最終面接だけは対面で実施した企業が急増しており、同じ境遇の学生が他にもわんさといるはず。きっと多くの共感を生む作品になっているはずだ。
面接に落ち続けて終わりの見えない就活を続けることで、自分の将来に不安を募らせる中、現実逃避を始めたくなるほどの作者の苦しみを、「YouTuber」という現実逃避の象徴と思われがちな職業を出すことで、端的に表現されている。 作者が望む「好きなことで生きていく」ということは、ある意味では幸せとも思えるが、好きなことが仕事になる辛さもあるだろう。大好きなYouTubeで気分転換しながら、悔いを残さない就職活動にしてほしい。
オンライン面接に慣れてしまっている中、最終面接だけ対面となることへの作者の戸惑いと面接現場の情景を、厳選した単語により上手く表現した作品。 オンライン面接であれば接続不良などと言い訳のしようもあるが、対面(オフライン)の場ではそうはいかない。コロナ禍以前ではこれが当たり前であったものの、今の就活生にとってはそうではない。やはり企業はそのことを十分に理解して、対面面接で学生が必要以上に緊張しないよう、温かいフォローをしてあげてほしい。
ウェブ(オンライン)面接での回線不良が合否に影響するのではないかと不安を詠んだ作品。ネット回線不良という、自分のコミュニケーション力に関係のない理由で会話が途切れ、不当な評価を受けるのは甚だ理不尽であり、第一志望の企業での面接ともなれば、自身の未来にまで影響すると不安に思うのは自然なことだろう。 面接に限らずオンラインでの会話では良くあることである。焦らずに、回線が戻ったら落ち着いて改めて発言すれば、きっと大丈夫。
コロナ禍という閉塞的な環境で学生生活を送らざるを得ない学生にとって、「あなたらしい写真」を求められるというのは無茶ぶりとしか言いようがないという、作者の心の叫びが聞こえてくる、皮肉たっぷりな良くできた作品である。 自分らしい写真を撮ったり学生の時にしかできない貴重な経験をしたり、なにより一生ものとなる学生時代の友人との密な時間を思う存分楽しめるよう、安全安心な社会が早く戻ることを祈るばかりである。
日本でも徐々にワクチン接種の機会が広がり、早期の接種を急かされる一方、辛い副反応の情報も飛び交う中、大一番のイベントを控えた就活生は、安易に打つわけにはいかないジレンマが良く伝わり、自身と社会の動向を上手く捉えた作品である。 若者ほど副反応が強く出る傾向にあるという情報と密状態の就活スケジュールを考慮すると、就活が終わるまでワクチン接種を回避するのは賢明な判断なのではないだろうか。どうか安全に就活を乗り切ってもらいたい。
オンライン面接に向けて、できるだけ印象良く自らを演出できるよう、綿密な機材セッティングをする学生自身の様子について、ふと我に返り気づいた滑稽さを、その道のプロである「YouTuber」に重ねて端的に表現した作品。 一発勝負の面接で、オンライン環境による印象の悪化を避けたいという切実な思いから、照明の当て方や高画質カメラの選定など、真剣に取り組む学生の姿が目に浮かぶ。たとえYouTuberに見えたとしても、それも立派な努力に間違いない。
今や学生にとって、オンラインでの会話は日常的に使われており、対面でのコミュニケーションよりずっと多い時代なのかもしれない。友人との日常会話の場となっているオンライン会議ツールが、時には採用選考の面接の場に早変わりすることで生じる油断が、上手く表現されている。 名前表示がニックネームのままになっていたとしても、これだけで不合格になることはあまりないだろうが、「印象」を良くするためにも気を付けたいところだ。
就活真っ最中で、喉から手が出るほど「内定」が欲しい就活生にとっては、他人の内定情報は、できれば見たくないのが本音だろう。SNSでの友人の内定報告は、そんな辛い心情はお構いなしに目に入り、作者が受けるダメージはいかばかりだろうか。同情せずにはいられない、SNSネイティブな就活生ならではの苦悩が良く伝わる作品である。 自己防衛の策として、就活が終わるまでは友人のSNSを見るのを控えた方がいいのかもしれない。
音声がオフ設定のまま話してしまうことと、自宅で臨む面接に自分のモードもオフからオンに切り替えられなかったという、オンライン面接でありがちな二つの意味でのオン・オフ切り替え忘れを、巧みに表現した作品。 どんなに熱意溢れる発言をしていても、音声がオフのままであったと知らされると、音声のオンだけでなく心のオンをも入れ直すのは、なかなか難しいことだろう。そろそろ、音声がオフのまま発言したらミュート設定のアラートが出る機能がほしいものだ。
「熱」という一字から、下げるべき「体温(=平熱)」と上げるべき「熱意」の上下真逆に向かう言葉を並べることで、コロナ禍における対面面接ならではの真剣勝負の場面を、上手く表現した作品である。 平熱とわかっていても何となく緊張する会場入口での体温チェックをクリアし、フェイスカバーが曇るほどに自身の内なる熱を上げ、面接官相手に存分に自分の思いを伝えられたなら、きっと面接官の胸も熱くすることができただろう。
就職活動の中での「内定を得る」という一つの目標に対しては、書類で落ちようが最終面接で落ちようが結果は同じ。一時でも友人への優越感を感じて油断したことに自戒の念が込められた、人としての成長を感じさせられる作品。 作者については、確かに内定しないと意味を感じられないかもしれないが、着実に経験値を上げながら最終面接まで進めたことに自信を持って、落ちた経験も次の選考への糧として、さらなる成長をしていることを期待したい。
オンライン面接での目線問題は、学生も面接官も悩ましく感じているようだ。この作者は、面接官の印象を良くしようと最後までカメラ目線を貫いた結果、面接官がどんな顔だったかを一度も見ることができなかったという状況を、「相手だれ」で上手く表現している。 カメラ目線と相手を見るタイミングやバランスは、オンライン面接対策の中でも難しいもののひとつ。たまにはカメラから目線を外し、相手がどのように話を聞いているのか見ながら話すのもいいかもしれない。
上着だけスーツ姿のオンライン面接に慣れ、対面面接で会場に向かう際にも「下ジャージ」で出かけてしまうという、漫画のようなミスを見事にやってのけた作者。実際には相当に焦ったであろう状況を、「ダッシュ」と「奪取(だっしゅ)」を使うなどしてユーモラスに描いた作品となっている。 着替えるために帰宅して出直して、それでも面接開始時刻に間に合い内定を勝ち取れたのは、「下ジャージ」ではあったものの時間に余裕を持った行動とハプニングにも負けない度胸があってのことだろう。
主 催 | HR総研(ProFuture株式会社)、「就活会議」(就活会議株式会社) |
募集期間 | 2021年7月1日〜7月8日 |
応募資格 | 2022年卒の「就活会議」会員 |
応 募 数 | 106作品 |
入 選 数 | 14作品 |
コロナ禍での選考では、オンラインならマスクなし、対面なら感染対策としてマスク着用で行われるもの。通常、履歴種にはマスクなしの写真だけが添付されているものだが、どちらの場合にも人事担当者が自分を認識できるように、わざわざ両方の写真を添付した履歴書を送ってくれた応募者がいたとのこと。人事担当者の驚く顔が目に浮かぶ。ただ、対面で行われるのは何も面接だけではない。内定者フォローの集まりや、来年4月の入社式もその後の研修も対面で行われる可能性は大いにある。それを見越しての対応だとしたら大したものだ。果たして、マスク姿の写真は使われたのだろうか。
就活生は内定が喉から手が出るほど欲しい一方、内定を出した企業の人事担当者は、一刻も早く「内定承諾」の返事が欲しくてしょうがないもの。手数料を払ってでもいいから早く届けて欲しいという、その切実な作者の思いを、コロナ禍で急成長する手軽なデリバリーサービス「Uber」に例えて表現した、秀逸な作品である。 果たして、この作者の思いは内定を出した学生にしっかりと伝わっただろうか。どうか届け先を間違えないように配達して欲しいものである。
「釣り」というアウトドアなイメージが、「ゲームソフト『あつまれどうぶつの森』での釣り」となることで、一気にインドアなイメージに大転換。大事な情報を応募者に隠されていたことに気づいた作者の気持ちと、今どきの学生にはこういうことも想定しないといけない、という参考事例をユーモラスに紹介している作品。 学生にしてみれば、コロナ禍でどこへも行けない環境での楽しみといえばゲームやSNSしか無い状況にあることも考慮して、寛大な評価をしてあげてほしいところである。
コロナ禍の影響もあり、加速するDX推進を試みる企業が多い中、オンライン化した資料のデータを印刷して確認するというのは良くあることだろう。作者の会社でも、DX担当者までもが紙で溢れる机で仕事をしているという状況を皮肉たっぷりに表現した作品。また、DX推進を信じて応募してくる学生には、こんな姿を見せられないという焦りの気持ちもあるのではないだろうか。
オンラインでの面接やインタビュー前に、念入りにリハーサルを重ねて、いかに画面写りが良くなるかを工夫する学生の姿が、ほほえましく思えた作者の、親目線で心温まる作品。 オンライン面接ならではの失敗を悔いたり、少しでも印象を良くしようとオンラインスキルを磨く学生の作品も多くあるが、その姿を、このように温かく見守っている企業担当者がいることを、学生に教えてあげたいものだ。
苦戦し続ける自社の状況を自虐的に描くことで、今の採用活動において主流となるオンライン採用が、企業と応募する学生の繋がりをいかに希薄にしているか、人事担当者を代表した嘆きともいえる作品である。 それにしても、すべてオンライン面接で選考し、内定を出しても内定辞退となり、一度も対面で会えず終わるというこの状況は、あまりにもバーチャル感に溢れ、採用活動の手応えどころか活動の実感も湧かないのではないだろうか。
採用活動を無事に終え、内定者フォローの末にやっと迎える、待ちに待った入社式。やっとリアルで会うことができたにもかかわらず、実際に会ってみると皆マスク姿であるため、「誰が誰だかわからない」というコロナ禍の少し残念な入社式を詠んだ作品。 ずっとオンライン上で会っていた内定者にようやくリアルで会えるというのは、人事担当者も内定者同士でも感慨深い瞬間となるはずで、早くマスク無しで安心して会える日が戻って欲しい。
オンライン面接あるあるの失敗だろう。どんなに熱い想いを学生に語り、貴方の入社を待っていると伝えても、音声がオフであれば、想いは相手にまったく伝わらない。それに気づいて再度話しても、なかなか一度目の熱量で語るのは難しいだろう。そんな心折られるハプニングを上手く表現した作品である。 自分が話すとき以外は周りの音や声が影響しないようにいちいち音声をオフにせざるを得ないPC環境に問題がある。ずっとオンのまま面接できる静かな環境さえあれば、どれだけ楽か。
転職しながらスキルアップするのがもはや普通の時代であることは、理解しなくてはいけないのだろう。しかし、それを直接面接で正直に伝えられ、しかも「御社『でも』いい」と上から目線の一言に、苦々しく感じつつも時代の流れとして受け入れようと、大人な対応を見せる作者の溜息が、聞こえてきそうな作品である。 選考を受けている立場であれば、もう少し言葉を選んで欲しいと思ってしまうのだが、いまの学生は正直すぎるのだろうか。
コロナ禍により半ば強制的にオンライン採用をせざるを得なくなっている企業の面接官にとって、Zoomというこれまでなじみのないツールを使って採用面接をするのは、辛いことかもしれない。新しいツールをすぐに使いこなしてしまうデジタルネイティブなZ世代と年代の違う作者の順応力の違いを実感した、自虐的な作品である。 しかし、オンライン面接に四苦八苦している学生も少なくない。Z世代が全員そうではないと、作者には安心してもらいたい。
わからない程度の微妙な修正はしょうがないにしても、ゲームのアバターである「Miiのよう」になるほど修正を加えるとはなかなかの強者。昔ではありえなかった写真加工によって、今の学生の特徴を上手く表現した作品。 履歴書に貼る自分の顔写真を加工するのは、今や当たり前のことなのだろうか。一体何のための写真添付なのか良くわからなくなりそうだ。ちなみに、この学生はオンライン面接時にもフィルターがかかっていたらしく、美への意気込みを感じたと作者。
あと一人の内定承諾で2022年卒学生の採用が終わるかという採用活動の佳境となる頃には、もう2023年卒向けのインターンシップが始まるという、休みなく続く採用活動の忙しさが良く伝わる作品。 できれば今年度の採用活動をすっきり終えて、心新たに次年度のインターンシップに臨みたいところだろうが、それも自分たちでは決められず、あと一人の内定者の決断に委ねられているのは、なんとも歯がゆいことだろう。
学生にとってオンライン面接のメリットの一つは、「カンペメモが見られる」ということだろう。それをいかに面接官に見つからないようにできるか、ということが問題。これは面接官である作者が見てしまった学生の失敗例について、その一瞬をスローモーションのように切り取って、上手く描写した作品。 作者もここまでごまかしようのない形でカンペが見えてしまうと、かえって学生に同情し、カンペメモの設置方法までアドバイスしてあげたくなったのではないだろうか。
主 催 | HR総研(ProFuture株式会社)、「就活会議」(就活会議株式会社) |
募集期間 | 2021年6月28日〜7月8日 |
応募資格 | 2022年卒採用を実施した企業の採用担当者 |
応 募 数 | 76作品 |
入 選 数 | 13作品 |
【お問い合わせ】
「2022年卒 就活川柳・短歌/採用川柳・短歌」に関するお問い合わせは、ProFuture株式会社 HR総研まで。
Mail. souken@hrpro.co.jp