HR総研:社内コミュニケーションに関するアンケート2021 結果報告

コロナ禍において最も効果的な社内コミュニケーションは「チャットツール」

HR総研では、社内コミュニケーションの実態について毎年調査を実施しており、今年は1月に「社内コミュニケーションに関するアンケート2021」を実施した。
コロナ禍においてニューノーマルな働き方に移行する企業が増加する中、社内コミュニケーションにはどのような変化が生まれているのだろうか。
以下に、フリーコメントを含めて調査結果を報告する。

<概要>
●7割が社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると感じる
●9割で「迅速な情報共有」に支障あり、気軽な相談やストレス軽減にも影響増加
●昨年と変わらず7割で「自社の社内コミュニケーションに課題がある」
●大企業で課題視される関係は「部門間」と「部署内のメンバー同士」が最多、コロナ禍の影響か
●コロナ禍において社内コミュニケーションが「悪化している」企業が4割
●社内コミュニケーションで8割以上が使うのは「メール」と「オンライン会議ツール」
●コミュニケーションしやすさは「対面」が圧倒的、中堅・中小企業では7割
●テレワーク導入率の高い大企業で社内コミュニケーションが円滑な傾向
●テレワーク社員とのコミュニケーション手段の最多は「メール」、最も効果的なのは「チャットツール」
●テレワーク社員とのコミュニケーション不全で全社生産性が低下している傾向
●最も多い社内コミュニケーション活性化対策は「社内報」、社内イベントのオンライン化も必要に

7割が社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると感じる

社内コミュニケーションの状況を聞く前に、そもそも自社において「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると思うか」について確認してみた。その結果、69%が「大いにそう思う」として圧倒的に多く、次いで「ややそう思う」が25%で、これらを合計した「そう思う」とする割合は94%となり、ほとんどの企業において「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と捉えていることが分かる(図表1)。この数値は昨年2月の調査結果(95%)とほぼ同等となっている。

【図表1】社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になると思うか

 

9割で「迅速な情報共有」に支障あり、気軽な相談やストレス軽減にも影響増加

では、社内コミュニケーション不足はどのような業務において障害となると考えられているのだろうか。
最も多いのは「迅速な情報共有」で87%、次いで「部門間・事業所間の連携」が78%、「業務中の気軽な相談・質問」が67%などとなっており、上位7項目は昨年調査より業務障害として挙げる企業の割合が増加している(図表2)。特に「迅速な情報共有」と「業務中の気軽な相談・質問」は、昨年調査より20ポイント以上増加しており、これまでより社内コミュニケーション不足による障害を強く意識されている傾向がうかがえる。
この要因としては、やはりコロナ禍による急速なテレワーク導入の拡大が影響していると考えられる。対面で行ってきた社内コミュニケーションを急遽オンライン化せざるを得なくなったことで、慣れない環境におけるコミュニケーション不足が発生し、その結果、「迅速な情報共有」「業務中の気軽な相談・質問」に支障が出るという流れも、少なくないのではないだろうか。「精神的ストレス」を挙げる声も20ポイント近く伸びている点にも注視したい。

【図表2】社内コミュニケーション不足による業務障害の内容

昨年と変わらず7割で「自社の社内コミュニケーションに課題がある」

自社において「社内コミュニケーションに課題があるか」については、いずれの企業規模においても「ややあると思う」が最も多く、従業員数1001名以上の大企業では57%、301~1000名の中堅企業では59%、300名以下の中小企業では52%となり、「大いにあると思う」の割合と合わせると、「社内コミュニケーションに課題がある」と感じる企業は7割を超え、企業規模に関わらず社内コミュニケーションに課題を抱える企業が大半であることがうかがえる(図表3)。
この傾向は昨年結果ともほぼ同等となっており、全体的な課題感の有無には、コロナ禍前後の状況変化が大きく影響しているわけではないようである。

【図表3】自社の社内コミュニケーションに課題があるか

大企業で課題視される関係は「部門間」と「部署内のメンバー同士」が最多、コロナ禍の影響か

次に、「社内コミュニケーションに最も課題を感じる関係間」を見てみると、大企業では「部門間」と「部署内のメンバー同士」が最も多く20%となっており、中堅・中小企業では「経営層と社員」が最も多く、ともに26%となっている(図表4-1)。
大企業では特に部門間の物理的距離があることに加え、コロナ禍によりテレワークの推進が中堅・中小企業より進んでいることから、部署内のメンバー間での気軽な会話をしづらくなっている実感があるのだろう。

【図表4-1】社内コミュニケーションに最も課題を感じる関係間

 

 

各関係間におけるコミュニケーションの課題について、フリーコメントによる具体的内容を一部抜粋して以下に紹介する(図表4-2)。

【図表4-2】最も課題を感じる関係間のコミュニケーション不全内容(一部抜粋)

最も課題を感じる関係間 コミュニケーションに課題を感じる内容 従業員規模 業種
経営層と社員 不全ではありませんが、経営者が気軽に各部署(課)の部屋に来ることが激減したため、コントラクティブチャット的なちょっとした会話が無くなったことです 1,001名以上 情報・通信
経営層と社員 経営が考えている方針やその中身が、階層を経ていく事に変化し、経営が掲げる本質的なメッセージがメンバーにまで届かず、「意図」が抜けた「指示」だけ伝わってしまう 1,001名以上 メーカー
経営層と社員 トップが現場に足を運ばない 1,001名以上 マスコミ・コンサル
経営層と社員 理解不足、理解への努力の不足、説明の不足 301~1,000名 運輸・不動産・エネルギー
経営層と社員 経営の方向性に関する理解と協力 300名以下 商社・流通
部門間 他の部門が何の仕事をしているのか全くわからない 1,001名以上 サービス
部門間 現状、全員リモートでの勤務の為、部門を超えたコミュニケーションは必要最低限(=業務上何か意思決定が必要な会議)に限られ、発想やアイデアを生み出すコミュニケーションが足りていない 301~1,000名 情報・通信
部門間 全体最適より自部門最適で動く 301~1,000名 メーカー
部門間 それぞれの部門の利害関係の違いによる 300名以下 メーカー
部署内の課長とメンバー 課長の興味はIT技術であり、相談があった場合でも「自分で考えて」で一蹴。また、何か新しい事や課題提起をすると上長から即座にマイナス意見を投げつけられてしまい誰も意見を言わなくなっています 1,001名以上 メーカー
部署内の課長とメンバー 事業拡大のスピードアップに、さらにコロナの影響が加わり、部課長とメンバーの余裕あるコミュニケーションが難しくなっている。マネジメントが難しくなっている様子 300名以下 サービス
部署内の課長とメンバー 対面コミュニケーションの減少による偶然的なアイデア創出機会の減少 300名以下 マスコミ・コンサル
部署内のメンバー同士 情報共有に留まり、連携・協業にまで発展しない 1,001名以上 メーカー
部署内のメンバー同士 繁忙感もある中で、自らの担当業務をこなすのに精一杯で、連携が取れていない。連携をとれば効率が上がるとわかっていてもアクション出来ない 301~1,000名 サービス
部署内のメンバー同士 日常的な情報交換、疑問点の解消など 300名以下 情報・通信

コロナ禍における社内コミュニケーションは「悪化している」が4割

次に、「コロナ禍における社内コミュニケーション状況の変化」については、いずれの企業規模においても「改善している」派の割合(「非常に改善している」及び「やや改善している」の合計)は2割未満となり、「悪化している」派の割合(「やや悪化している」と「非常に悪化している」の合計)は4割前後に上り、コロナ禍によりこれまで以上に社内コミュニケーションが悪化していると感じる企業が多い傾向がうかがえる(図表5)。

【図表5】コロナ禍における社内コミュニケーション状況の変化

社内コミュニケーションで8割以上が使うのは「メール」と「オンライン会議ツール」

では、コロナ禍における社内コミュニケーションの手段として、どのような手段を多く利用しているのだろうか。
いずれの企業規模においても「メール」が最も多く、大企業では85%、中堅企業では81%、中小企業では71%となり、コロナ禍以前から活用されていたコミュニケーションツールでもあり、大半の企業で利用されていることが分かる。
コロナ禍特有のコミュニケーション手段として、「オンライン会議ツール」が特に大企業で利用率が高く82%となっている。中堅・中小企業でも6割近くが利用していることからも、テレワークが推進される中、対面に代わる会議や打ち合わせの手段として、大企業を中心に一気に普及していることがうかがえる。
一方、中堅・中小企業では「対面」がそれぞれ73%、64%となり大企業(44%)より多くなっており、「対面での会議・ミーティング」もそれぞれ63%、62%と、6割以上を占めている。コロナ禍といえども、テレワークの推進をしづらい環境であることや対面でのコミュニケーションならではのメリットがあることなど、企業ごとの諸事情により、対面とオンラインの双方を活用した社内コミュニケーションが図られていることが推測される。

【図表6】社内コミュニケーションで利用頻度の多い手段

 

 

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】社内コミュニケーションに関するアンケート2021
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2021年1月20日~26日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者、担当者
有効回答:250件

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