HR総研:「副業・兼業の実態」に関するアンケート 調査報告

~副業・兼業の「推奨・容認」は昨年から8ポイント増、大企業で解禁の動き~

企業における副業・兼業解禁の取り組みは、社員のキャリアアップや働き方改革という観点に加え、社外の知見を取り込み、イノベーションに繋がるといった意味でも、近年注目を集めている。
また、昨年9月には、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が改定される等、厚生労働省としても副業・兼業を推進する動きを強めている。
このような変化の中、各企業における社員の副業・兼業に関する方針や取り組み状況はどのように変化しているのだろうか。
HR総研では、副業・兼業に関する企業の取組み方針や、近年の動向について調査した。
以下に、フリーコメントを含めて調査結果を報告する。

<概要>
●副業・兼業を「推奨・容認」する企業は昨年から8ポイント増
●コロナ禍により副業をする社員が増加した企業は約2割
●副業・兼業の推奨・容認の目的は「社員のスキルアップ」が最多で6割
●大企業では副業・兼業を「拡大・推奨すべき」が最多で約6割

副業・兼業を「推奨・容認」する企業は昨年から8ポイント増

まず、「副業・兼業に関する方針」については、「禁止している」が最多で47%、次いで「申請・許可制にしている」が32%、「容認している」が14%、「推奨している」が5%などとなっている。昨年4月に実施した「多様な働き方の実施状況に関するアンケート」における同様の質問に対する回答結果では、「推奨している」が1%、「容認している」が10%となっており、今回調査では合わせて8ポイントの増加となっている(図表1-1)。
企業規模別に見ると、「禁止している」との回答は1,001名以上の大企業で最も少なく34%となっている一方で、301~1,000名の中堅企業で50%、300名以下の中小企業で51%となっており、ともに半数程度が禁止としている。
昨年4月の調査時には大企業においては「禁止している」が54%となっており、今回調査では20ポイントの大幅減となった(図表1-2)。副業・兼業を促進しようとする政府の意向に沿った対応へと舵を切り始めた大企業が増えていることをうかがわせる。
次に、「副業・兼業に関するルール・具体的な取り組み」については、「上司・人事部に事前に相談する必要がある」が最多で72%、次いで「禁止・制限の規定を就業規則に定めている」が51%、「ルールに違反した際の罰則規定がある」が25%などとなっている(図表1-3)。

【図表1-1】副業・兼業に関する方針

 

 

【図表1-2】企業規模別 副業・兼業に関する方針

 

【図表1-3】副業・兼業に関するルール・具体的な取り組み

コロナ禍により副業をする社員が増加した企業は約2割

次に、副業・兼業を禁止していない企業における、「副業・兼業を行っている社員の割合」について見てみる。
「10%未満」が最多で50%、また「0%」も18%となっており、7割近くの企業で、副業・兼業を実際に行っている社員の割合は、1割未満であることが分かる(図表2-1)。
次に、「コロナ禍前後での兼業・副業を行っている社員の増減」については、「変わらない」が最多で80%、「やや増加した」が17%などとなっている。劇的な変化とは言えないが、コロナ前後での変化としては、どちらかといえば増加傾向にあるようだ。コロナ禍により、収入確保のために副業を始めるケースが増えたことや、個人がより自律的にキャリア形成を行っていく必要性が認識され始めたことも一因として考えられる。(図表2-2)

【図表2-1】副業・兼業を行っている社員の割合

 

【図表2-2】コロナ禍前後での兼業・副業を行っている社員の増減

副業・兼業の推奨・容認の目的は「社員のスキルアップ」が最多で6割

「副業・兼業の推奨・容認の目的」については、「社員の経験やスキルの向上」が最多で60%、次いで「社員満足度の向上(モチベーションアップ・不満の解消)」が39%、「社員の自立を促進するため(セルフマネジメントなど)」が36%などとなっている。前回調査時もこれら3項目は上位であったが、「社外の知見によるイノベーションの創造」が、今回は30%と前回と比較して15ポイントの増加となっている(図表3-1)。
副業・兼業の推奨・容認の目的について、企業規模別で見ると、「社員の経験やスキルの向上」は大企業で77%となっており、中堅企業(45%)や、中小企業(57%)と比べて高い割合を示している。また、「社外の知見によるイノベーションの創造」も同様の傾向となっており、大企業が58%であるのに対し、中堅企業では15%、中小企業では19%にとどまっている。大企業においては、社員のスキルアップや知見の取り込みといった点に対して、より多くの企業が期待して副業・兼業の推奨をしていることが分かる(図表3-2)。
次に、「副業・兼業の禁止の理由」については、「業務効率低下の危惧」が最多で67%、次いで「社員の健康管理」が56%、「情報漏えい/企業ブランドの毀損」が54%などとなっている。やはり労働時間の増大による本業への影響を懸念して禁止としている企業が多いようだ(図表3-3)。

【図表3-1】副業・兼業の推奨・容認の目的

 

【図表3-2】企業規模別 副業の推奨・容認の目的

 

【図表3-3】副業・兼業の禁止の理由

 

 

【調査概要】

アンケート名称:【HR総研】「副業・兼業の実態」に関するアンケート
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2021年3月29日~4月4日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者、担当者
有効回答:176件

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Eメール: souken@hrpro.co.jp

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