コロナで変わった人事業務の実態調査

~コロナ禍による変化が大きかった人事業務領域は「採用」と「研修」~

新型コロナウイルス感染拡大防止をきっかけに、人事部門でも在宅勤務を経験した人は少なくないだろう。人々の働き方が大きく変わる中で、人事に求められる役割や対応すべき課題、人事業務のあり方も大きく変化している。変化の大きなきっかけとなった第1回目の緊急事態宣言の発令から半年以上が経過した昨年11月、人事の現場はどのように変化したのかをアンケート調査で聞いてみた。本レポートでは、人事業務の中でも特に変化が大きかった業務領域や、その変化の内容について迫る。

<概要>
●変化が大きかった人事関連業務は「採用」が最多で約8割
●コロナ前後でマネジメントや評価方法にも変化あり
●コロナ禍による人事の業務量の変化、「増加」4割、「変わらない」5割
●人事部門、「週3日以上在宅勤務」が大企業では5割超
●「コロナ禍を機にオンライン化した業務」は「採用」が最多で6割
●コロナ禍を機に発生・深刻化した課題は「コミュニケーションの減少」が最多で4割
●コロナ禍による人事関連業務の変化・対応策についてのフリーコメント

変化が大きかった人事関連業務は「採用」が最多で約8割

まず、「新型コロナウイルスの感染拡大の前後で変化があったと思う人事関連業務」については、「採用」が最多で77%、次いで「教育」が65%、「その他労務」が38%などとなっている。「採用」「教育」は従来であれば対面でのコミュニケーションを伴う業務であり、これらの業務で変化が大きいというのもうなずける。「特に変化はない」は11%にとどまり、9割近くの企業が人事業務に何らかの変化を実感していることが分かる(図表1-1)。
「最も変化が大きかった人事関連業務」については、「採用」が圧倒的に多く57%、次いで「教育」が20%、「その他労務」が12%などとなっている(図表1-2)。

【図表1-1】新型コロナウイルスの感染拡大の前後で変化があったと思う人事関連業務

 

【図表1-2】最も変化が大きかった人事関連業務

コロナ前後でマネジメントや評価方法にも変化あり

次に、コロナ禍前後での人事関連業務における変化について、フリーコメントを一部抜粋して紹介する。やはり採用業務や研修などにおけるオンライン化を変化として挙げる声が多かった。また「評価が結果のみに移行された」等、仕事ぶりを直接見ることができないことによる、マネジメントや評価方法における変化を挙げる声も多く見られた(図表2)。

【図表2】コロナ禍前後での人事関連業務における変化の内容(一部抜粋)

 

変化の具体的な内容 従業員規模 業種
WEB説明会・面接対応およびその訓練が必要となった 1,001名以上 サービス
オンライン面接への移行 1,001名以上 サービス
面接や研修のオンライン化 1,001名以上 サービス
リモートワーク制度化 1,001名以上 サービス
新人、既存社員の研修が、集合研修を止めオンライン研修になった 1,001名以上 メーカー
オンライン化が急激に進んだ。集合教育でしっかり育成することができなかったため、OJTに頼るところも大きくなっているように感じる 1,001名以上 メーカー
事務所への勤務がなくなり、評価は、結果のみに移行されました 1,001名以上 メーカー
説明会から選考まで対面形式からWeb開催に 1,001名以上 マスコミ・コンサル
学生との直接接触は基本なくなり、採用面接も含めてオンラインへ移行した 301~1,000名 サービス
顧客の新規の開発プロジェクトの中止、あるいは延期により当社の増員計画がペンディングとなった 301~1,000名 サービス
在宅勤務の採用により、情意評価が難しくなったこと。その点を管理職にどう認識させるかが、公平な運用を行ううえで、パワーを要した 301~1,000名 メーカー
対面での採用活動がほとんど実施できず、活動を全てオンラインに切り替えて実施することとなった 301~1,000名 メーカー
正社員領域では、会わずに意思決定することが求められるようになった。パート・アルバイト領域では、外食等からの人材流出や、経済環境に対する不安による離職率低下などによって充足度が高まった 301~1,000名 商社・流通
実際に労働しているところを見て、労務管理ができない 300名以下 サービス
オンライン研修の導入。在宅勤務に伴う新入社員の研修期間延長 300名以下 サービス
在宅制度等のコロナ禍での制度設計・運用整備や、それに伴う労政 300名以下 メーカー
新人研修が集合研修や現場でのマンツーマンOJTからオンラインに変更となった 300名以下 メーカー

コロナ禍による人事の業務量の変化、「増加」4割、「変わらない」5割

次に、「人事関連の業務量(業務時間)の変化」については、「大きく増加した」(6%)と、「やや増加した」(32%)を合わせると38%となっているのに対し、「大きく減少した」(2%)と、「やや減少した」(13%)は合わせて15%となっている。「変わらない」が47%と最も多いものの、コロナ禍により業務量に変化があった企業では、人事の負担はどちらかといえば増加している傾向にあるようだ。ただ、業務のオンライン化の移行期にある企業も多いことから、オンライン化のための制度の変更やシステムの導入など、移行期ゆえの短期的な業務量の増加である可能性も考えられる。オンライン化による、長期的な人事の業務量への影響を測るには、もう少し時間を置く必要がありそうだ(図表3)。

【図表3】人事関連の業務量(業務時間)の変化」

人事部門、「週3日以上在宅勤務」が大企業では5割超

次に、人事部門のテレワーク活用状況について見ていこう。
テレワークを導入している企業の、「人事部門におけるテレワークを活用している社員の割合」については、「50%以上」の回答を合わせると30%となっており、そのうち13%の企業においては人事部門の全社員がテレワークを活用していることが分かった。一方で「0%」との回答も29%と3割近くあり、まだまだ企業ごとにかなり実態が異なることが分かる。企業規模別に見ると、「50%以上」の社員がテレワークを活用している割合は、1,001名以上の大企業では53%と、半数以上に上っているのに対し、301名~1,000名の中堅企業では27%、300名以下の中小企業では29%と、大企業に比べて少なくなっている(図表4-1)。
次に、「人事部門における勤務形態」について見てみると、「週5在宅」「週4在宅+週1出社」「週3在宅+週2出社」を合計した「週3日以上在宅」の割合は39%となっており、4割近くの企業において、「出社より在宅勤務の方が多い」という実態になっている。企業規模別に見ると、大企業では「週3日以上在宅」が56%と半数を超えているのに対し、中堅企業では39%、中小企業では30%と、大企業に比べてやや在宅勤務の頻度が少ないことが分かる(図表4-2)。

【図表4-1】人事部門におけるテレワークを活用している社員の割合

 

【図表4-2】人事部門における勤務形態(最も近いものを選択)

 

 

 

【調査概要】

アンケート名称:HR総研:コロナで変わった人事業務の実態調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2020年11月16日~11月24日
調査方法:WEBアンケート
調査対象:企業の人事責任者、人事育成担当者様
有効回答:231件

※HR総研では、人事の皆様の業務改善や経営に貢献する調査を実施しております。本レポート内容は、会員の皆様の活動に役立てるために引用、参照をいただけます。その場合、下記要項にてお願いいたします。
1)出典の明記:「ProFuture株式会社/HR総研」
2)当ページのURL記載、またはリンク設定
3)HRプロ運営事務局へのご連絡
・会社名、部署・役職、氏名、連絡先
・引用先名称(URL) と引用項目(図表No)
・目的
Eメール:souken@hrpro.co.jp

※HR総研では、当調査に関わる集計データのご提供(有償)を行っております。
詳細につきましては、上記メールアドレスまでお問合せください。

関連キーワード

関連する記事一覧

メディア掲載実績

共同調査 受付中。お気軽にご相談ください。

共同調査の詳細はこちら 共同調査のお問合わせ その他のお問合わせ

2021年新卒採用レポート販売中!学生のナマの声を豊富に収録。

ご購入はこちら