【神戸大学・服部泰宏准教授監修】 2021年入社予定者の入社前意識調査 結果報告

42社、1542人の内定者が回答
「内定者の実に4割が不安を抱える、その内容は?求める支援は?学生タイプ別に分析」

HR総研では、神戸大学大学院 経営学研究科の服部泰宏准教授による監修のもと「2021年入社予定者の入社前意識調査」を2021年2月25日~3月11日に実施した。
本調査は、企業における新人研修や育成の施策や取組みの検討に際し、2021年入社の内定者の志向性の傾向、不安感や期待感の内容等についての的確な把握及び効果的な活用を支援することを目的として、2021年4月入社予定の内定者を対象にした匿名アンケートとなっている(回答者の内定先企業名は識別される)。
以下に、調査結果に関する服部泰宏准教授による分析及び考察レポートを掲載する。

【服部泰宏氏のプロフィール】

神戸大学大学院 経営学研究科 准教授
神奈川県生まれ。国立大学法人滋賀大学専任講師、同准教授、国立大学法人横浜国立大学准教授を経て、2018年4月より現職。日本企業における組織と個人の関わりあいや、ビジネスパーソンの学びと知識の普及に関する研究、人材の採用や評価、育成に関する研究に従事。2010年に第26回組織学会高宮賞、 2020年に日本労務学会学術賞などを受賞。

内定者の4割が不安を抱える、対面メインの業種で高い傾向か

内定者が、4月からの入社に向けた不安度を5段階で評価し回答した。
その結果を見ると、全体の40%ほどの学生が働くことに関する不安を抱えている(図表1-1)。

【図表1-1】4月からの入社に向けた不安の分布

 

1〜5の値をとる不安のスコアを比較すると、業種によって、不安の度合いにかなりのばらつきがある。
それぞれにおいて、なぜその程度の不安のレベルであるかということを簡単に解釈することはできないが、不安の上位を見る限り、主として顧客/同僚との対面による相互作用を伴うことの多い業種であるように思われる(図表1-2)。

 

【図表1-2】業種ごとの不安度の比較

 

企業規模と不安度の間に、特に顕著な傾向は見られない(図表1-3)。
大企業だから、もしくは小規模企業だから、不安が大きい/小さいということではないようである。ただし、501〜1,000名規模の企業において、不安が他よりもやや高くなっていることが気になる。例年この規模の企業は、ターゲットとする学生が数千名規模の企業と一部重複しており、必要であれば面接回数を減らして大企業よりも内々定時期を早めるなど、様々な工夫をしているようである。コロナ禍にあって、そうした努力が返って求職者の不安を高めることにつながっている可能性がある。

 

【図表1-3】企業規模ごとの不安度の比較

 

【調査概要】

調査名称:【神戸大学・服部泰宏准教授監修】2021年入社予定者の入社前意識調査
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査期間:2021年2月25日~3月11日
調査方法:WEBアンケート(SurveyHR)
調査対象:2021年4月入社予定の内定者
参加企業数:42社
有効回答数:1,542件

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